①⼀般⻭科治療
⾍⻭・⻭周病・お⼝の中の不快でお困りの⽅へ
最⼩限の治療をするのはなぜ
⼀般の治療において⼀番に考えることは⾃分の⻭を極⼒残すことです。
現在では、インプラントやセラミックといった⾃分の⻭を模して作る技術が少し前に⽐べると 格段に向上しています。
ほとんど⾃分の⻭と違いが出ないくらいの⻭を作ることができる時代になってきました。
しかし、⾍⻭を治療しても、それで⾍⻭が本当に治っているわけではありません。
なぜかと⾔うと、⼀度でも治療をした⻭はどんなに良い治療をしたとしても、⼀度も治療をし たことがない健康な⻭よりも再び⾍⻭になりやすくなっているからです。
⾍⻭を取って詰める
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詰め物の間から⾍⻭になって痛む
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神経をとって被せ物をする
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被せ物 の下から⾍⻭になって⻭をぬかなければならなくなる
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⼊れ⻭やブリッジ(被せ物をつなげ る)を⾏う
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他の⻭の負が増えて、他の⻭が悪くなってしまう
こうした悪循環にはまってしまうのが、現在の⻭科治療のジレンマです。
実際に⼀番⾍⻭になりにくいのは、⼀度も治療をしたことがない健康な⻭です。
その「⼀番⾍⻭になりにくい⻭」が⾍⻭になってしまったわけですから、⾍⻭の本当の原因を 取り除かない限り、⾼確率で再び⾍⻭になってしまいます。
昔の⻭医者さんは痛かったら神経を取る、グラグラしてきたら⻭を抜くでしたが、最近では 「早期発⾒、早期治療」といった時代になってきました。
いま⾃分たちが考えることは早期治療をしてしまうと、結局⾍⻭を取ることで新たな⾍⻭を作 ることになってしまうので、予防を中⼼に治療を組み⽴てていくことを考えることで⼀歩先に 進めていければと思っています。
その為に、治療として⾍⻭を取るのは最⼩限ではなければいけませんし、場合によっては⾍⻭ を取らずに経過を⾒ていくことも少なくありません。
それでは、どうやって最⼩限の治療をするのでしょうか?
カリエス検知液
⾍⻭治療を⾏う上で⼀番⼤切なのは、⾍⻭に感染した部分を完全に除去することですが、通常 は⾍⻭の硬さを頼りに、軟らかくなった部分を削っていきます。
しかし、この⽅法では、感染部位を確実に、そして正確に除去することはできません。 しかし、このう蝕検知液を使うと、感染した部分が⾚く染まりますので、どこまで⾍⻭を削れ ばよいかがわかり、⻭を削る量を最⼩限に抑えることができます。
エキスカベータ
通常⾍⻭を取る際には簡便さと効率を求めてドリルを使うことが⼀般的です。しかしドリルに は⽋点があり、どうしても削りすぎるということです。
簡単で早くというのは現在の保険治療で求められることではありますが、必要以上に⻭を削っ てしまうため、特に神経に近いところ、深くなってしまった⾍⻭に対しては、エキスカベータ といった⼿⽤の切削ツールを使います。
先端がシャープに研磨されていて、むし⻭をこすりとることができます。硬いエナメル質や丈 夫で健康な⻭は削ることができないのですが、むし⻭で溶かされた柔らかい部分ならとること ができます。
削れる量は少ないので、深いむし⻭やなるべく刺激を与えずにむし⻭をとる際に 補助的に⽤いることが多いです。
拡⼤鏡による正確な治療
⻭を削る量を最⼩限に抑えるには、治療部分がしっかりと⾒えなければなりません。しっかり ⾒えることで裸眼では⾒えなかった被せもののフィッティングや⾍⻭と健全な部分の境がはっ きりと⾒えるようになります。
そうすることで治療に粗さが許されなくなりますし、より精密な治療が可能になります。 その為、当院では医療⽤の⼿術⽤のテレスコープを利⽤し、眼よりも拡⼤された視野で治療を⾏っています。
これは⾍⻭を取るためだけではなく、⻭周病での治療においても⻭⽯を直接確認したり、治療 全般で精度を1ランク上げる現在では必需のツールになっています。
これらのツール、⼿技を⽤いて最⼩限の治療で⻭を残してことに努めています。
それでは、それでも⼤きく⾍⻭になってしまいはどうでしょうか?
①⻭が⽋けてしまったら?(CR)
今までは、⾍⻭の治療のであったり、⻭の⾊や形を少し変えるために、健康な部分まで削った りする治療が多くおこなわれてきました。
それによりやむなく銀⻭になってしまったり、神経を取らざるをえなかったりと⼤きな治療に なってしまっていました。
ここでご紹介する治療法、CR(コンポジットレジン)とは、⻭科⽤プラスチックのことで す。 以前は変⾊や材質の劣化が激しかったのですが、ここ⼗年で材料の質もめまぐるしく上がり実 に様々な場⾯で使われるようになりました。
今まででは⼤きく削ることでしか対応できなかった場合や⾍⻭以外でも、すきっ⻭や⻭の形を 改善したり、⾦属アレルギーの⼼配のある素材と交換したりすることで⾃然な⾒た目を再現す る治療法です。
「⼿軽に美しく」を実現してくれる治療法の⼀つです。
②⻭がズキズキしてきたら(根管治療)
感じている以上に⾍⻭が進んでしまい神経まで達している場合、もしくは⼀度神経を取った⻭であっても再度ばい菌が⼊ってしまった場合に膿がたまってしまった場合には根の中を掃除す る必要があります。
根管治療とはこうした⻭の根の中を消毒する治療です。
こうした根の治療は建築の基礎⼯事と類似しています。 かぶせ物の仕上がりがどんなに美しくても、基礎⼯事の根の治療が不充分であれば、それは⾒ た目だけの美しさにほかなりません。
⻭を⻑く使うためにもまずは⼟台から、その為にも丁寧な治療が必要になります。
③⻭がぐらぐらしてきたら(⻭周病の治療)
⻭周病とは、⻭垢に棲む⻭周病菌が出す毒素によって⻭ぐきに炎症が起き、⻭を⽀える顎の骨 が溶け、最悪の場合には⻭が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。
⾍⻭と同じく初期には⾃覚症状がないため、⾼⾎圧や糖尿病に似て気づいたときにはかなり進 ⾏していることがあります。
⻭周病の治療は、ただ⻭ブラシをすればいいというものではなく、全体的な噛み合わせによる ⼒のバランス、⻭ブラシがしやすいような⻭の形や被せ物の形、出来るような⻭ぐきの環境の 構築、全⾝疾患を考慮した⽣活習慣といった様々な要因を考えなくてはいけません。
⻭周病とはただの⻭ぐきの病気ではなく、実はお⼝全体のトラブルから来る総合的な病気なの です。 ですので、⻭周病の治療は⼤きな視野を持ちDr、衛⽣⼠ともども⼀緒に付き合っていくこと になります。